9月8日より9月定例会が開会され、本日から決算特別委員会が始まりました。
今年も決算特別委員会委員に選任いただき、昨年度の決算審査を担当することになりました。
今年の決算書は昨年から続くコロナ関連の予算執行が多く、例年だと約245億円の決算審査を行うところ、今年は1.4倍の340億円の決算審査を行うこととなっております。
昨年に引き続き決算額が大きい分、より細かく見落としのないようにしっかり審議していきます。
また9月議会では教育委員会委員の任命や公平委員会委員の選任、京田辺市都市公園条例の一部改正など、審議をしておりますが、「天理山古墳 22億円事件」が起こり、この話題で現在議会は紛糾しています。
ほとんどの市民の方が知らないと思いますが、今まさに本市において22億円(土地代以外にかかる費用を想定すると30億円強)がたったの数ヶ月で今年度中に予算執行されようとしています。
事のはじまりは昨年の12月に薪地区にて古墳群が発見され、今年4月埋蔵文化財発掘調査の結果、前方後円墳の古墳であることが確認されたことがきっかけで、市は文化財保護の観点から5月より開発業者と話を進めて、9月議会で承認をもらい、本年度中に22億円を執行するように進めているのが現状です。
(9月議会の議案提出は見送られました)
この事件で注目すべき点は「22億円(将来想定30億)の予算がたった数ヶ月で執行されようとしていること」「市民や庁内でのコンセンサスが不透明であること」「予算を用意していないにも関わらず、開発業者と覚書を交わす」といったことが挙げられ、9月議会で承認はじめ年内に予算執行するなど到底あり得ない事態となっています。
◼︎22億円(将来想定30億)の予算がたった数ヶ月で執行されようとしていること
◼︎ 市民や庁内でのコンセンサスが不透明であること
本市の決算額240億の約10%に当たる莫大な予算を3ヶ月で決めることは異常事態です。市民が10数年かけてやっと実現する給食センター(同規模)がある一方で業者都合でたった数ヶ月で決めるなんてことは市民を完全に軽視していることになりますし、何よりも議会を軽視しています。
そしてこのコロナ禍の中、このような予算が用意できるのであれば、もっと市民生活に役立てることができるのではないかと思います。
また購入予定地の約10%が文化財でありますが、残り90%の不要な土地を含めた金額であることが問題です。
文化財は残すべきだと思いますが、90%の不要な土地を買う必要があるのか疑問に思います。
(一休寺万丈庭園の景観保護ができる範囲だけを購入するという選択肢もあるはずです)
庁内においても本来であれば、議論を重ねて時間をかけて進めていく必要がある事案に対して、余りにも強引な進め方であることから、充分な連携が取れておらず、マンパワーで進めてしまっているのではないのかと見受けられます。(おそらく議論を尽くしてないでしょう)
さらに重要なポイントは予算は元より、来年の秋まで国の指定文化財になるのか分からない状況で執行するということが問題に挙げられます。
国の指定文化財になることで国や府からの補助がでますが、指定文化財にならないと全額市負担になります。
そうすると補助が貰えても最低でも年間1.5億円かかるものが年間数億円の支出となり、それを賄うために市民サービスの質の低下や新たな増税(市民税、水道料の値上げなど)を検討する必要がでてきます。
※ちなみに指定文化財になっても90%の不要な土地の補助金は出ないので、90%の不要な土地は市が多く負担することになります。
こうした問題を市民にきちん説明していない行政は果たして市民とコンセンサスが取れているのでしょうか?
◼︎ 予算を用意していないにも関わらず、開発業者と覚書を交わす
これは明らかにアウトです。9月25日の読売新聞にも書いてありますが、予算がないのに買う前提で話を進めていることが問題です。
お金がないのに物を買う前提で話を進めていると思えば、わかりやすいと思います。(更に言えば、予算総額と活用ビジョンがない状態で)
基本的に市が大きな額を執行するには議会の承認が必要であります。議会の承認がなされて、予算が執行されるのがルールですが、承認前にも関わらず、事前に覚書を交わすなど言語道断です。
自民会派は「文化財は残すべきだが、不明瞭な点が多く、今年中に結論を出すのではなく、継続審査案件としてもっと慎重に議論するべきである」と主張していますが、野党は賛成しているようです。
今一度、市民の皆様に本当に3ヶ月で決めてしまって良いのか考えていただきたく思います。
9月定例会の折り返しですが、本日も市民の皆様のために頑張ります。
Comments